2019/11/26 11:20

前回の記事の続きです。


妊婦さんに摂取しすぎないでほしいサプリメント:ビタミンA


ビタミンAは鳥や豚、牛のレバー、また緑黄色野菜に多く含まれているビタミンで、粘膜の健康や免疫力の維持に関わっています。
妊娠中の摂取量が少ないと免疫機能が弱まり、病気に感染しやすくなることが知られています。

一方でビタミンAの代謝産物、レチノイン酸には催奇形性(つまり、妊娠中の女性が摂取すると胎児に奇形が起こる危険性のこと)が報告されています。耳の奇形が多いようです。過剰摂取はお勧めできません。

特に妊婦さんにとって、ビタミンA摂取量は多くても少なくても良くないです。
また一般的な量の緑黄色野菜を摂ることでビタミンA過剰となるようなこともないと考えて大丈夫です。

ですからビタミンAはサプリメントで摂るのではなく、普段の食事から適切な量をとっていただくのがおすすめです。

妊婦さんにちゃんと取ってほしいサプリメント:ビタミンD


近年(2018年)発表された論文によると、ビタミンDが欠乏している妊婦さんが50%以上に上る地域があります。
ビタミンDの不足は妊婦や赤ちゃんの骨に悪影響を及ぼすほか、早産リスク、赤ちゃんの喘息リスク、高血圧や妊娠糖尿病などのリスクを高めます。

論文の紹介とともに説明します。
ビタミンDは骨を作るビタミンです。
日光にあたると皮膚で合成されますが、特に北欧地域では日照時間が短くビタミンD欠乏のリスクが高いことから、ビタミンD欠乏についての研究がなされているようです。

855人のノルウェー人女性を対象としたこの論文には、妊婦さんの1/3が妊娠後期(28週以降)でビタミンD欠乏となり、日照の少ない冬季ではその割合が50%以上となることが記されています。

もちろんですが、ノルウェーは高緯度地域で日本と状況がちがうのは事実です。
日本でのビタミンD不足についての大規模研究は確認できませんでしたが、ビタミンD不足は子供の骨の成長に悪影響を与えるので、気を付けたほうがいいことは間違いありません。

次回では、妊活中の女性が摂取すべきビタミンについてご説明します!